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ルルールジャワの宮廷と花嫁の習わし

インドネシア・ジャワ島で、米の粉やウコンなどの根茎をすりつぶして練ったものを体に塗り、乾いてからこすり落とす習わし。ジョグジャカルタやスラカルタの王宮と、結婚前の花嫁の支度に結びついて語られてきました。

インドネシア・ジャワ島中部(ジョグジャカルタ・スラカルタ)王宮の時代から伝わるとされる(始まりは不明)入浴今も続いている

概要

ルルールは、インドネシアのジャワ島に伝わる、体の手入れの習わしです。米の粉に、ウコンなどショウガ科の根茎や、香りのある花や葉を合わせてすりつぶし、練ったものを体に塗ります。乾いたら手でこすって落とし、湯で流します。インドネシア語では、練ったもの自体もルルールと呼び、これを使う手入れを「ルルラン」ともいいます。

ルルールは、ジョグジャカルタとスラカルタ(ソロ)の王宮(クラトン)の女性たちの習わしとして語られることの多い品です。結婚を控えた花嫁の支度とも、深く結びついてきました。

歴史

ジャワ中部では、1755年の条約でマタラム王国が分かれ、ジョグジャカルタとスラカルタにそれぞれ王家が置かれました。どちらの王宮でも、草木を使った薬や身だしなみの知恵が受け継がれてきたとされます。

ルルールがいつ始まったかは、はっきりしません。17世紀の王宮で始まったとする紹介も見られますが、確かな資料は見つかっていません。

王宮の習わしについては、近年、研究も進んでいます。2023年に発表された研究では、ジョグジャカルタの王宮に残る手書きの処方の記録と、王宮の人々への聞き取りが調べられました。体・顔・髪などの手入れに使う草木の処方が25種類まとめられ、今も王家の人々に使われていると報告されています。スラカルタの王宮では、王女たちの身だしなみの習わしは「ンガディ・サリラ」と呼ばれ、体の手入れだけでなく、心のあり方も含むものと説明されています。

スラカルタの花嫁化粧では、黄みがかったおしろいが使われます。これは王女たちの姿にならったものとされ、王女たちはマンギル(米の粉などを使う別の練り物)やルルールを使って水浴びをしていたと伝わります。

王宮の外に広まったきっかけの一つとして、スラカルタの王家に生まれた女性が、王宮で学んだ処方をもとに1970年代に会社を起こし、ルルールなどを売り出したことが挙げられます。

作り方・使い方

材料は、家や店によって違います。よく挙げられるのは、米の粉、ウコン、テムギリン(ショウガ科の根茎)、ケンチュール(バンウコン)、パンダンの葉、ジャスミンの花、白檀の粉などです。昔ながらのやり方では、平たい石の台の上で石の棒を転がしてすりつぶします。この道具は「ピピサン」と呼ばれ、草木の飲み物「ジャムウ」を作るときにも使われてきました。

練ったものを体に塗り、しばらく置いて乾かします。そのあと手でこすって落とし、湯で流します。花を浮かべた湯に入る流れが組み合わされることもあります。

結婚の前には、花嫁がしばらく家にこもって過ごす「ピンギタン」という習わしがあり、その間の体の手入れの一つとしてルルールが行われてきたとされます。昔は40日間続けたという話も伝わりますが、今は数日から1週間ほどのことが多いといわれます。結婚式の前日には、家族が花嫁に水をかける儀式「シラマン」が行われます。ルルールは、こうした結婚の儀礼に向けた支度の一つとして位置づけられてきました。

今の暮らしの中で

今では、ルルールは王宮だけのものではありません。インドネシアでは、袋入りの粉や練った状態の品が広く売られ、家庭でも使われています。ジャワ島やバリ島のスパでは、「ロイヤル・ジャワニーズ・ルルール」などの名前で、王宮の習わしにちなんだ手入れとして紹介されています。

インドネシアの草木の文化「ジャムウ」は、2023年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。ユネスコの説明は飲み物としてのジャムウが中心で、ルルールには触れていません。それでも、同じショウガ科の根茎などを使うことから、ジャワの草木の知恵の一部として並べて語られることがあります。

よくある誤解・豆知識

王族だけの習わしではなくなっています。 王宮の名前と結びつけて語られますが、今は一般の家庭や、花嫁の支度でも広く行われています。

バリ島の「ボレ」とは別のものです。 バリ島には、香辛料などを練って体に塗る「ボレ」という似た習わしがあります。ルルールはジャワ、ボレはバリのものとして区別されます。

「王女のよう」は売り文句にもなっています。 「王宮の王女のように」とうたう品や店が増えたことは、スラカルタの研究でも、王宮の習わしが商品になっていく例として取り上げられています。

布に色が移ることがあります。 ウコンを多く使ったものは黄色く、タオルや服に色が移ることがあります。

参考文献

最終更新:2026-10-11

このページは、世界の装いと美容の品を、歴史と文化として紹介するものです。医療上の効果や、美容上の効果を保証するものではありません。肌に合わないときは使用をやめ、気になることは医師や薬剤師に相談してください。民族や信仰にかかわる装いは、その意味を尊重して紹介しています。

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