成人式日本の二十歳の節目
日本で、成人の日のころに市区町村が開く、若者の門出を祝う式典です。昔の元服や裳着から、1946年に埼玉県蕨町で開かれた「青年祭」、成年年齢が18歳になった後の「二十歳のつどい」まで、その歴史と今を紹介します。
日本・埼玉県蕨市(当時の蕨町)1946年〜大人になる今も行われている
概要
成人式は、大人になった若者を祝う日本の式典です。多くの市区町村が、1月の「成人の日」のころに開きます。会場には、振袖や袴、スーツなどの晴れ着を着た若者が集まります。
成人式は、法律で決められた行事ではありません。いつ、だれを対象に、どんな式にするかは、それぞれの自治体が決めています。2022年4月に民法の成年年齢が18歳になった後も、多くの自治体は20歳の人を対象に式を続けています。
歴史
元服と裳着
大人になったことを示す儀礼は、昔からありました。男子の「元服」では、子どもの髪型をやめて冠や烏帽子をかぶり、幼いころの名前を改めました。年齢は一定せず、平安時代以降は12歳ごろから16歳ごろが多かったとされます。女子は「髪上げ」や「裳着(もぎ)」で、髪の形や衣服を改めました。
元服は、室町時代の中ごろから略式になりました。江戸時代には、男子は前髪をそり落とすだけになっていきました。村によっては、若者の集まり(若者組)に入ることが、大人の仲間入りを意味しました。
1946年の「青年祭」
今のような自治体の成人式は、戦後に始まりました。発祥とされるのは、1946年11月に埼玉県の蕨町(今の蕨市)で開かれた「青年祭」です。敗戦で気落ちした若者に希望を持ってもらおうと、町の青年団が中心になって開いたとされます。3日間の催しで、芸能大会や展覧会、野球や卓球の試合、バザーなどが行われました。その始めに開かれたのが「成年式」でした。
成人の日
1948年に「国民の祝日に関する法律」ができ、1月15日が「成人の日」になりました。この日になったのは、昔の元服や裳着が1月に行われることが多かったことなどを踏まえたものとされます。その後、1998年の法改正で、2000年から「1月の第2月曜日」に変わりました。
祝い方・祭りの流れ
式の進め方は自治体によって違います。会場では、首長のあいさつや新成人の代表のことばなどがあり、記念品が贈られることもあります。
法務省の分科会が2019年に全国の市区町村に尋ねた調査(1,037市区町村が回答)では、式を開く主体は「教育委員会」が最も多くありました。新成人らの実行委員会が加わる例は、全体の約5割でした。時期は「1月(成人の日を含む三連休)」が74.8%で、「8月(お盆の時期など)」も9.3%ありました。8月の式は東北や中部の地方に多く見られます。年末年始に帰省したあと、すぐまた帰るのは負担が大きい、という理由が挙げられています。
晴れ着も、成人式の風景の一つです。振袖は江戸時代に、子どもや若い女性の着物として広まりました。今は女性の振袖、男性のスーツや羽織袴などが見られます。高校のPTAを対象にしたアンケートでは、成人式の意味として「地元の友人と再会し、地元への愛着を育む」「同窓会としての意味がある」を挙げる声もありました。
今の暮らしの中で
2022年4月1日、民法の成年年齢が20歳から18歳に下がりました。20歳という区切りは、1876年の太政官布告から続いてきたものです。
それでも、多くの自治体は式の対象を20歳のままにしています。2019年の調査では、すでに方針を決めた67市区町村のうち61が20歳を選びました。理由として最も多かったのは、「18歳の1月に開くと受験と重なり、出席する人が減る」でした。
名前を変えた自治体もあります。兵庫県では、2023年1月の式で41市町すべてが20歳を対象にし、そのうち38市町が「二十歳のつどい」「はたちを祝う会」などの名前に改めたと報じられました。
よくある誤解・豆知識
古くからの伝統行事ではありません。 大人になる儀礼は昔からありましたが、自治体が若者を集めて開く今の形の式は、戦後に始まったものです。
祝日法は「おとな」の年齢を決めていません。 成人の日は、「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」日とされます。法律ができたときの国会の議論を経て、「おとな」の年齢ははっきり決めないことになりました。そのため、民法の成年年齢と同じとは限りません。
蕨市では「成年式」と呼ばれてきました。 青年祭の始めに開かれた式の名前にちなみます。蕨城址公園には、「成年式発祥の地」と書かれた女性の像が建っています。
参考文献
- 内閣府「国民の祝日について」 https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou.html
- 成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議 成人式の時期や在り方等に関する分科会「成人式の時期や在り方等に関する報告書」2020年3月(法務省) https://www.moj.go.jp/content/001318263.pdf
- コトバンク「元服」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典・改訂新版 世界大百科事典・日本大百科全書ほか) https://kotobank.jp/word/元服
- コトバンク「成人式」(デジタル大辞泉・世界大百科事典ほか) https://kotobank.jp/word/成人式
- コトバンク「成人の日」(日本大百科全書・ブリタニカ国際大百科事典ほか) https://kotobank.jp/word/成人の日
- コトバンク「振袖」(日本大百科全書・世界大百科事典ほか) https://kotobank.jp/word/振袖
- 藤井青銅「成人式を『伝統行事』と重宝する日本人の勘違い」東洋経済オンライン、2020年1月13日 https://toyokeizai.net/articles/-/323616
- 神戸新聞NEXT「『成人式』が消えた ほとんどの自治体が『はたちの…』」2023年1月6日 https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202301/0015944938.shtml
- 埼玉県「蕨」(景観資源の案内資料) https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/5546/460684.pdf
- nippon.com「今日は何の日 11月22日」 https://www.nippon.com/ja/japan-topics/today1122/
最終更新:2026-10-17
このページは、世界の人生の節目のお祝いを、暮らしの行事として紹介するものです。宗教の教えの説明や、参加・まねをすすめるものではありません。