紅茶占いカップの茶葉の形を読む
紅茶を飲み終えたカップの底や内側に残った茶葉の形を読み取るイギリスの占い。カップのどの位置に形が現れるかで、時期や身近さも読みます。
発祥:イギリス17世紀以降(紅茶の普及とともに)形や模様を読む解説のみ
概要
紅茶占いは、紅茶を飲んだあとのカップに残った茶葉の形から、運勢を読み取る占いです。英語では「ティーリーフ・リーディング(茶葉を読むこと)」と呼ばれます。「タセオグラフィー」という呼び名もあり、フランス語の「タス(カップ)」とギリシャ語に由来する言葉を組み合わせたものとされます。
特別な道具がいらず、ティーカップと茶葉があればできるため、イギリスでは家庭や友人どうしの楽しみとして親しまれてきました。
由来と歴史
ブリタニカ百科事典によると、中国の茶がヨーロッパに初めて運ばれたのは1610年で、オランダ東インド会社によるものでした。イギリスでは17世紀半ばから茶が飲まれるようになりましたが、はじめは高価で、裕福な人々のぜいたく品でした。その後、値段が下がるにつれて、広く一般の人々にも飲まれるようになりました。
紅茶占いがいつ、どこで始まったのかを示す確かな記録は多くありません。溶かした金属やろうの形を読む占いは、ヨーロッパに古くからありました。茶が身近になると、同じように「偶然できた形を読む」占いが、カップの茶葉でも行われるようになったと考えられています。
19世紀から20世紀初めには、英語の手引書が出版されました。よく知られているのが、「ハイランドの予言者」という名前で書かれた『ティーカップ・リーディング』です。正確な出版年ははっきりしませんが、茶葉の形とその意味の一覧がまとめられています。20世紀前半には、内側に星座やトランプの印などが描かれた、占い専用のティーカップも作られました。
やり方
ここでは、上の手引書に書かれている方法を中心に紹介します。
まず、ティーバッグではなく、茶葉をそのままポットに入れて紅茶をいれます。茶こしは使わず、茶葉ごとカップに注ぎます。カップは、内側が白く、口の広いものが見やすいとされます。
紅茶を飲み、底に少しだけ残します。取っ手を持ってカップを3回ほど回し、残った茶葉を内側に広げます。そのあと、カップをソーサーの上に伏せて、水気をしっかり切ります。
最後にカップを起こし、内側に張りついた茶葉の形を見ます。鳥、錨、指輪、ハートなど、何に見えるかを考えて読み解きます。
位置で時期を読む
紅茶占いでは、カップの中の位置にも意味があります。手引書では、取っ手が相談者本人を表すとされています。取っ手に近い形ほど、本人に近いところで起こる出来事を表します。
また、縁に近い形はすぐに起こる出来事、側面は少し先の出来事、底はもっと先の出来事を表すとされます。
形の意味の例
手引書には、形ごとの意味が書かれています。たとえば、飛んでいる鳥はよい知らせ、錨は仕事の成功や恋の安定、指輪は結婚、船はよい旅、ハートは楽しい出来事を表すとされます。ただし、形の意味は本によって違い、決まった正解はありません。
実際には、見る人によって同じ形が違うものに見えることもよくあります。その「何に見えるか」を語り合うことが、この占いの楽しさだといえます。
よくある誤解・豆知識
ティーバッグが広く使われるようになると、カップに茶葉が残らないため、紅茶占いをする機会は減ったといわれます。今でも試すときは、茶葉をそのまま使う必要があります。
飲み物の残りで占う方法には、トルコなどで行われる「コーヒー占い」もあります。こちらは、細かく挽いたコーヒーの粉がカップに残ることを利用した占いです。
参考文献
- Encyclopaedia Britannica「tea」 https://www.britannica.com/topic/tea-beverage
- A Highland Seer, “Tea-Cup Reading and the Art of Fortune-Telling by Tea Leaves”(Project Gutenberg) https://www.gutenberg.org/ebooks/18241
- NPR(GBH News掲載)「For Centuries, People Have Searched For Answers In The Bottom Of A Tea Cup」 https://wgbh.org/news/2015-09-01/for-centuries-people-have-searched-for-answers-in-the-bottom-of-a-tea-cup
最終更新:2026-10-08