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トルジャンチ韓国の1歳の誕生日

韓国で、赤ちゃんの初めての誕生日を祝う宴です。餅や果物を盛った祝いの膳を前に、赤ちゃんが米・お金・本・糸などから品を選ぶ「トルジャビ」で将来を占います。昔の祝い方と、今の変化を紹介します。

韓国(朝鮮半島)古くから(始まりの時期ははっきりしない)誕生と成長のお祝い今も続いている

概要

トルジャンチ(돌잔치)は、韓国で赤ちゃんの1歳の誕生日を祝う宴です。「トル(돌)」は生まれてから満1年の、初めての誕生日を指します。「チャンチ(잔치)」は宴という意味です。

お祝いの中心は、餅や果物を盛った祝いの膳「トルサン(돌상)」と、赤ちゃんに品物を選ばせる「トルジャビ(돌잡이)」です。赤ちゃんが何をつかむかで、その子の将来を占います。韓国民族文化大百科事典は、身分や貧富、都と地方の違いなく、だれもが子どものためにトルの宴を開いてきたと説明しています。

歴史

トルの祝いがいつ始まったのかは、はっきりしません。昔は、1歳を迎える前に亡くなる子どもが少なくありませんでした。そのため、無事に1年を迎えたことを家族で祝う意味があったと説明されます。

1歳の子の前に品物を並べて選ばせる習わしは、中国にもありました。6世紀の中国の書物『顔氏家訓』は、江南の風俗として次のように記しています。1歳になった子に新しい服を着せ、男の子には弓矢や紙と筆、女の子には刀や物差し、針と糸を並べ、食べ物や宝物も置く。そして、何を取るかで、その子の性質を見る。この習わしは「試児(しじ)」と呼ばれました。

朝鮮半島の伝統では、トルの日の朝、子どもを守るとされる三神(サムシン)に膳を供える家もありました。家族がわかめスープとご飯の朝食をとったあと、宴が始まったとされます。

祝い方・祭りの流れ

昔ながらのトルでは、赤ちゃんに「トルビム」と呼ばれる晴れ着を着せます。男の子は上着の上に藍色の衣(쾌자)を重ね、頭に頭巾(복건)をかぶります。女の子は、袖に色とりどりの縞がある上着(색동저고리)に、赤い長いチマ(スカート)を合わせます。どちらも胸に「トルティ」という帯を巻き、小さな袋(돌주머니)を下げます。

トルサンには、いろいろな餅や果物、菓子、肉や魚の料理が並びます。なかでも、麺、白い蒸し餅(ペクソルギ)、きびと小豆の餅(スススパットク)は、長生きや、悪いものを遠ざける願いを込めた品とされます。赤ちゃんは屏風を背にして、膳の前に座ります。

トルジャビでは、膳の前に米、お金、本、筆、墨、糸などを置きます。男の子には弓や小刀、女の子には針やはさみ、物差しなども置かれました。客は膳のまわりに座って赤ちゃんの様子を見守り、最初か2番目につかんだ品で将来を占います。本や筆は学問、米やお金は豊かな暮らし、弓は武官、糸や麺は長生きを表すとされました。親が望む品を手の届くところに置くこともありましたが、思いどおりにならないことが多かったといいます。

宴の日には、近所に餅を配りました。これを「トルトクを回す」といいます。餅を受け取った家は、器にお金や米、糸の束を入れて返したとされます。

今の暮らしの中で

トルジャビは、今も宴の見どころです。最近は、マイクやパソコンのマウス、小さなサッカーボールなどを置く家もあります。それぞれ芸能、ソフトウェア、スポーツの仕事を表すとされます。

祝い方は変わってきました。かつては親せきや知人を大勢招き、宴会場でトルジャンチを開くことがよくありました。2024年の京郷新聞は、こうしたにぎやかな宴が減っていると伝えています。家族だけで食事をしたり、借りたトルサンを家に飾って祝ったりする家庭が増えているといいます。招かれる側の祝い金の負担も、理由の一つに挙げられています。

贈り物の定番は、純金の小さな指輪「トルパンジ(돌반지)」です。重さは「1トン(돈、3.75g)」のものがよく選ばれてきました。金の値段が大きく上がった2025年には、半分の重さの指輪や現金を贈る人が増えていると報じられました。

よくある誤解・豆知識

「トル」には年を数える意味もあります。 トルは初めての誕生日を指すだけでなく、「두 돌(2歳の誕生日)」のように、満の年を数える言葉としても使われます。

生まれて100日の祝いもあります。 韓国では、生後100日目を「ペギル(백일)」として祝う習わしもあります。トルは、それに続く大きな節目です。

トルジャビは家族の楽しみでもあります。 赤ちゃんが品物に手をのばす様子を、家族や客がまわりで見守ります。どれを選ぶかに注目が集まる、宴でいちばんにぎやかな場面です。

参考文献

最終更新:2026-10-17

このページは、世界の子育ての習わしを、歴史と文化として紹介するものです。子育てや医療の助言ではなく、どの方法がよいかを比べるものでもありません。赤ちゃんの寝かせ方・抱き方・食事は、自治体や小児科の案内に従ってください。

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